sonoshouのまじめなブログ

情報系大学生からのウェブ見習い人生の記録

誰のためのデザイン?

毎日使う道具の精神病医学

ユーザの意図とその実現に必要な操作、そしてその結果の間には、恣意的でないわかりやすくて意味のある関係が存在している。

このような工夫が製品に付加されているのは、誰かが、ということはすなわちデザイナーということだが、この道具がどのように使われるか、人がどう誤って使うか、どういうエラーが起こりそうか、人がこれでどんなことをやろうとするかをよく考えたからこそなのである。

機能とそれを使うのに必要な操作の数がスイッチの数を越えてしまうと、デザインは恣意的なものとなり、不自然で複雑なものとなってしまう。道具にさまざまな機能を付け加えて、私たちの暮らしを簡単にしてくれるはずのその技術が、道具の使い方を覚えにくく使いにくくしてしまい、暮らしを複雑怪奇なものとしてしまう。

たくさん機能が増えてきて便利にはなるのだけれど、直感的ではないから使いこなせないことが多い。
エンジニアとしてはどうしても機能を詰め込めば詰め込むほど便利になったと思ってしまうけど、結局のところそれを使いこなせなければ宝の持ち腐れ。
携帯電話やビデオの予約システムが代表例な気がする。
デザインの重要性を再認識した。


日常場面における行為の心理学

エラーを起こした人はどの場面においても、彼らは罪悪感をもって、自分のエラーを隠そうとするか、あるいは自分の「愚かさ」や「不注意さ」を責めようとする。

デザインの原則
・可視性
・よい概念モデル
・よい対応付け
・フィードバック

運転手が操作を誤って大事故を引き起こしてしまう事例をニュースで見たことがある。
確かに運転手のミスが原因の一つではあるが、
そもそも、ミスに気付きづらいシステム、ミスを引き起こしやすいデザインになっていなかったのか。
ここが論点に挙げられることが非常に少ない気がする。


何をするかを知る

デザインの難しい点
・グループ分け問題 grouping problem
・対応付け問題 mapping problem


誤るは人の常

スリップの研究からのデザイン上の教訓
・スリップが生じる前にそれを防止する
・スリップが起こってしまったときに、見つけ出し修正する

スリップの一例として、コンピュータの削除とごみ箱が挙げられていた。
消去するときに「本当に削除しますか?」
削除してしまっても「ごみ箱」から復旧できる
単純なことではあるが、これがあるからこそ私たちは簡単にファイルを消せるのだと思う。
「rm」コマンドを知っている人なら共感してくれるはず。


デザインという困難な課題

なぜデザイナーは正しい道からはずれてしまうのか
・デザイン界の中の褒賞のシステムが美を第一にしがちなこと
・デザイナーは典型的なユーザではないということ
・デザイナーは自分の顧客を喜ばせなくてはならないが、その顧客は実際にユーザと同一でないこと

展覧会で出てくる時計は美しいのかもしれないけど、時間がわからなければ意味がない。

また、私も経験があるが、自分でデザインすると自分がそのシステムを熟知しているため、
第三者が見たときにどうしてもわかりづらい点が出てきてしまう。
その道のプロでさえ、第三者の代表になることは難しいとされている。
それなのに自分の力で完璧なデザインができるわけがない。


デザインの原則

1.外界にある知識と頭の中にある知識の両者を利用する
2.作業の構造を単純化する
3.対象を目に見えるようにして、実行のへだたりと評価のへだたりに橋をかける
4.対応付けを正しくする
5.自然の制約や人工的な制約などの制約の力を活用する
6.エラーに備えたデザインをする
7.以上のすべてがうまくいかないときには標準化をする